小公子

「小公子」を読もうと思ったきっかけ

2年前に婦人科系の病気で入院、手術をして体力が低下。それに伴いメンタルも病んでしまい、20年近くやってきた介護の仕事を辞めて現在無職。不安は大きいですが、仕事をしている時には得られなかった、自分と向き合う時間ができました。残された時間私は何をやりたいのか、いまだにわからない状態。今までの人生の棚卸し、幼少の頃まで遡って自分を深堀りしようと思いました。

自分のことなのに、子供の頃のことってあまり覚えていませんでした。子供の頃の疑似体験をしたら思い出すかな?児童書!「小公子」が出てきました。「小公子」は読んだ記憶がありませんが、子供の頃を思い出すきっかけになるかもと思いました。

あらすじ(ネタバレ注意)

主人公のセドリック・エロルは、ニューヨークに住む心優しい7歳の少年です。彼は亡き父親が英国貴族の三男であることを知らず、アメリカで母親と平穏な生活を送っていました。

ある日、セドリックのもとにイギリスから使者が訪れ、彼の父方の祖父であるドリンコート伯爵がセドリックを呼び寄せたいと言っていることを伝えます。

セドリックの父親の兄弟たちが亡くなったため、セドリックがドリンコート伯爵家の跡取りとなることが決まり、彼と母親はイギリスへ渡ります。祖父である伯爵は非常に頑固で冷酷な人物として知られており、初めはセドリックを快く思っていませんでした。しかし、セドリックの純粋で思いやりのある性格が伯爵の心を徐々に溶かしていきます。

物語の中で、セドリックは周囲の人々に対しても優しさと寛容さを示し、多くの人々に愛されるようになります。最終的には、セドリックの善良な影響力によって、伯爵も人間として成長し、家族の絆が深まります。

セドリックの資質は、優しく親切な母親の影響を強く受けています。伯爵は当初は良く思っていなかったセドリックの母親からも影響を受け関係を修復し、家族としての絆が再び結びつくのです。

「小公子」の中から心に残った文章

頑固な祖父が心優しいセドリックと接していくうちに感じたこと。

「真実を潔く認めて白状するなら、いやおうなく(セドリックに)惹きつけられているのは、自分がとうとう身につけることのなかった資質ー率直さ、誠実さ、優しい心根、決して悪い方に解釈しない愛情、深い信頼感、そういったものだった。」

「結局のところ単純なことだった。優しく親切な心の持ち主(セドリックの母親)のそばで暮らし、常に人に親切にし、人のことを思いやるようにと教えられてきたおかげなのだ。とてもささやかなことかもしれないが、それがいちばん大切なことなのだ。」

「小公子」から与えられた影響やメッセージ

子供の頃に思い描いていた大人の自分は、心もお金も余裕のある大人になって大きな家を買って家族と仲良く暮らす。子供の頃の自分にとっての未来は、希望に満ち溢れていたと思います。

子供の頃の私は、今よりずっと優しかった。「みにくいあひるの子」など絵本を読んで大泣きしたり、家族や周りの人達の愛情を疑いなく感じていており、そのことに対して手紙を書いて感謝を伝えていたのに、、、。

もうすぐ50歳になろうとしている現実は、、、。

日々の生活に追われ心もお金も余裕がなく、自分のことだけで精一杯。まわりに優しくできていない自分。

いつの頃からか心に余裕がなくなり、人と自分を比べて悩んだり、家族や友人がやってくれていることを当たり前のように思って感謝しなくなったり、物事を悪い方に解釈したり、、、。自分が「頑固な祖父」と気づきショックでした。

お金持ちでなくても、身の丈にあった生活に満足できていたら、もう少し気持ちに余裕を持つことができて、まわりの大切な人たちにももう少し優しくできていたかも、、、。

うまくいかないとイライラして、一番身近で大切な家族や友人にあたったり、、、。それが結果的に最も大切な自分を傷つけて、心身ともに病んでしまう。

学生の頃、社会人になってからも、人の言葉に傷ついたことはたくさんあります。傷ついた時に助けてくれたのは、家族や友人や職場で信頼できる人たち。そんな人達を私は大切にしている?そんな思いを突きつけられました。

これからどうするか

そんな自分を変えたい!子供の頃の純真な心を取り戻したい!

まず、嫌な部分を持っている自分を認めること。一人で過ごす時間も好きだけど、大切な人たちと過ごす時間も好き。

今身近にいてくれている家族や友人に感謝し、誠実に思いやりを持って接する。

感謝の言葉をうまく伝えられないので、子供の頃のように手紙に感謝の気持ちを書いて渡す。

子供の頃のように好奇心を持って小さい世界を見る!

子供の頃は、小さいアリが餌を一生懸命運んでいる姿をじっとみたり、すずめや鳩や池の鯉やカメの動きを飽きずに見たり、一つ一つが新鮮で不思議に感じていたと思います。そんな子供の心で世界を見直したら、毎日が楽しみに溢れるような気がします。

小さいことですが、ここからやっていこうと思います。

まとめ

改めて「小公子」を読んで、人として本当に大切なことを教えてもらえました。

そしてそれは自分の中に眠っている「子供の頃の心」にもあると思います。

「今の自分の生き方に疑問を感じている方」「子供の頃の自分を思い出したい方」

読んでみませんか?

たくさんの気づきがあると思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!